栃木県で作陶されている、川尻琢也さん(川尻製陶所)の作品が入荷しています。

栃木県で作陶されている、川尻琢也さん(川尻製陶所)の作品が入荷しています。

栃木県益子町。
陶芸の息吹が根付くこの町の、見晴らしの良い丘の上に川尻製陶所は静かに佇んでいます。
ここで日々土と向き合い、炎を操るのは二代目の川尻琢也さん。今回、川尻さんの手がけるあたたかな器たちが当店に入荷いたしました。

川尻さんの生み出す作品は、思わず微笑んでしまうような、可愛らしく丸みを帯びたフォルムが特徴です。
手に取ると、益子の土が持つ砂分を活かしたざらりとした質感と、掌に馴染む温もりが同居していることに驚かされます。

「人が生きる上で欠かせない食の恵みに『ありがとう』を伝えるのに相応しい器を」。
単なる容器としてではなく、日々の食事の時間を慈しむための相棒のような存在であってほしい。そんな想いが、川尻さんの器づくりには込められています。

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川尻琢也さん(川尻製陶所)

沖縄での学びから続く、一貫した手仕事

川尻さんの作陶の根底には、幼少期から慣れ親しんだ登り窯の感触があります。
2006年に栃木県で陶芸の基礎を学んだ後、2007年には沖縄・読谷村の「北窯(與那原工房)」に従事されました。そこで、自らその土地の土を精製する「土作り」から「登り窯での焼成」まで、器をゼロから生み出す一貫した手仕事を身体に刻み込みました。
その後、2010年に益子へ戻り、現在は二代目として窯の主軸を担っています。

益子の土と、登り窯の炎が創り出す景色

川尻さんの器は、地元益子の土を100パーセント使用し、登り窯で焼くという伝統的な手法にこだわって作られています。

益子の土は「砂分が多く、粘り気が少ない」のが特徴ですが、その特性を活かした厚手でどっしりとした器は、日々の食卓に安心感をもたらしてくれます。
また、「焼き物は、焼かなければ完成しない」という言葉の通り、川尻製陶所ではすべての器を登り窯で焼成しています。
粘土や薪といった資源を未来へ繋ぐため、燃料には再生可能な廃材を100%使用。毎年春と秋の年2回行われる窯焚きは、まさに自然との共同作業です。
薪の火が窯の中を駆け巡り、器に降りかかる灰が生み出す豊かな「火色(ひいろ)」や焼きムラは、二つとない自然の景色として器に独特の表情を与えています。

川尻琢也さん(川尻製陶所)

キッチンに安らぎをもたらす、呼吸する「塩壷」

川尻製陶所の代名詞とも言えるのが、砂分が多い益子の土の特性を最大限に活かした「塩壷」です。
釉薬をかけずに焼き締めたその姿は、キッチンに置いてあるだけでどこかホッとする、愛らしい丸みを帯びています。

焼き締めの素地には微細な穴があり、そこから土が呼吸をすることで内部の湿度が調整されます。これにより、塩が固まりにくく、いつでもさらさらとした状態を保つことができます。
長く使い続けていると、壷の外側に白い塩が粉のように吹き出すことがありますが、これは壷がしっかりと湿気を逃がしている証拠です。道具が機能している証として、いっそう愛着を感じさせてくれます。

片手で蓋を開けてさっと塩を振れる実用性と、空間に馴染む佇まいから、多くの方に支持されている作品です。

川尻琢也さん(川尻製陶所)

器を「育てる」愉しみと、長くお使いいただくために

焼き締めの器は、使い込むほどに油分が馴染み、しっとりとした深い風合いへと変化していきます。この経年変化も、器を育てる大きな愉しみの一つです。
長くご愛用いただくために、いくつかのお手入れのヒントをご紹介します。

使い始めの準備 一般的な陶器に必要な「目止め(米のとぎ汁での煮沸)」は不要ですが、汚れの染み込みを防ぐため、使い始めに一晩たっぷり水に浸けておくことをおすすめします。
塩壷の場合は、一度食器用洗剤で洗い、完全に乾燥させてから塩を入れてください。

塩壷の湿気が気になるときは 梅雨時などに塩が湿ってしまった場合は、蓋を開けた状態で電子レンジで1〜2分程度(熱くなりすぎない程度に)加熱し、そのまま蓋を開けて冷ますと水分が飛びます。一時的に冷蔵庫へ入れておくのも乾燥に効果的です。

川尻琢也さん(川尻製陶所)

暮らしに寄り添う道具として

古き良き益子の伝統を受け継ぎながらも、現代の食卓に違和感なく馴染む道具をつくり続ける川尻さん。
お皿の裏側には安定感を高めるためのざらつきを残すなど、使い手への細やかな配慮が随所に見られ、年代を問わず心地よくお使いいただけます。

例年、ゴールデンウィークや11月の文化の日前後に開催される「益子陶器市」にも出展されています。機会があれば、ぜひ直接その手で触れ、作家の温かなお人柄にも触れてみてください。

毎日の食卓で、手仕事の温もりを感じていただければ嬉しく思います。

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