
染めないウールの美しさ。soji - 菅間岬さんの作品をご紹介します。
「素地」という名前に込められたもの
羊毛を使用してホームスパンマフラーやニット小物の作品作りをされている、sojiの菅間岬さん。
sojiとは「素地」のこと。羊毛を一切染色せず、原毛が持つ自然な色味のまま糸を紡ぐ。その姿勢が、ブランド名にそのまま表れています。
一般的に、製品としてのウールは色や質感を揃えるために加工されます。菅間さんはその逆を行き、羊一頭一頭が持つ無垢なグラデーションや質感の違いを、そのまま作品に活かしています。
「羊も人と同じで一つとして同じものはなく毛質も様々。柔らかいもの、硬いもの、弾力があるもの、短い毛、長い毛など。染めたものに比べると華やかさはありませんが、自然の持つ素地の美しさを残したいと思い、基本的に染色はしておりません」
均一に整えられた美しさとは異なる、素材そのものの奥行き。手に取ると、その違いを自然と感じ取れるのではないかと思います。
ウールが苦手だった学生時代
現在は羊毛の魅力を伝える活動をされている菅間さんですが、かつては「ウールが苦手だった」と話されています。
武蔵野美術大学で空間演出デザインを学び、その後テキスタイルを専攻されるなかで、好んでいたのは綿や麻といったさらりとした素材。ウールに対しては、多くの方が感じるような「チクチクする」「毛玉ができやすい」といった印象を持っていたそうです。
その見方を変えたのが、学生時代に出会った「手紡ぎ」の体験でした。
自らの手で原料から糸を紡ぎ、織り上げるホームスパンの技法。初めて自分で織ったマフラーを身につけたとき、その包み込まれるような温かみと、素材が持つ表情の豊かさに驚いたといいます。手仕事を通じて、素材への印象が大きく変わった瞬間だったのだと思います。
原毛を洗うところから始まる制作
菅間さんのものづくりは、原毛を手洗いするところから始まります。糸を紡ぎ、織り、編み、仕立てる。すべての工程をご自身の手で行い、素材に触れながら考える時間を大切にされています。
「もう少し油を抜いた方がいいかな」「この羊毛はこのアイテムに使ったらどうなるんだろう」。そうした試行錯誤を重ねながら、一つひとつの素材と向き合う。羊毛に含まれる脂分(ラノリン)の抜き具合ひとつで、肌触りも作品の性格も変わります。
効率とは少し離れたところにある、丁寧な時間の積み重ね。そこから生まれる作品には、手仕事ならではの温度が宿っています。
余り糸から生まれたブローチと耳飾り
ホームスパンマフラーを制作する際、どうしても出てしまうのが余り糸です。織るには少ない量ですが、時間をかけて紡いだ糸を無駄にはしたくない。そうした思いから生まれたのが、ウール刺繍のブローチと耳飾りでした。
作品に添えられた「雨上がり」「snow」「sea」といったタイトル。四季折々の情景が、繊細な刺繍のひと針ひと針に込められています。まるで絵本の1ページを開くような、そんな静かな物語を感じさせてくれます。
自然な色合いと柔らかな質感。羊毛の色に合わせたビーズも添えられていて、素朴ながら美しい仕上がりです。可愛らしくもユニークなデザインで、幅広い世代の方に身につけていただけます。
今回の新商品
温かみがあり、シンプルで可愛らしいsojiさんのコースター。余り糸で作成されている為、その時によって色合いが異なります。
何枚も揃えたくなるようなコースターです。
冬のその先へ
お手持ちのマフラーやセーターと合わせれば、冬の装いがさらに楽しくなります。そして菅間さんは「ウール=冬」という枠を越えて、通年で愛用できる作品づくりにも取り組まれています。
原毛を洗い、紡ぎ、織り、刺す。その手仕事の積み重ねから生まれる、飾らない素材の美しさ。soji/菅間岬さんの作品をぜひ手に取ってご覧ください。



